アーラリンクが挑む、貧困・孤独・孤立問題──高橋代表が語る“ビジネス”で社会を変える“使命”
通信事業を軸に、社会課題解決に取り組むアーラリンク。高橋代表が掲げるのは、誰もが見過ごしがちな貧困・孤独・孤立の問題に真っ向から挑むこと。
「人がやらないことこそロマンがある」
「意味を感じられる仕事をしたい」
「使命を全うする」
──この3つの理念を掲げ、単なる福祉ではなく“ソーシャルビジネス”としての持続可能な仕組みを構築している。利益と社会貢献の融合、働く人の報酬の適正化、そして支援ではなく“自立を促す”こと。ビジネスの力で格差を乗り越え、社会全体を前進させる挑戦について、高橋代表が熱く語る。
- 目次
- アーラリンクが貧困・孤独・孤立の問題に取り組む理由
- “人がやらないこと”にロマンを感じる理由
- ビジネスとしての社会貢献──ソーシャルベンチャーの可能性
- 先進国の貧困とは?見えない社会課題に立ち向かう
- 誰でもスマホ事業が果たす役割と、これからの展望
- 社会を変えるために必要な人材とは?──「太陽のような人」
- 未来のアーラリンク──仕事、コミュニティ、そして社会全体の変革へ
- 一緒に挑戦する仲間を探しています
アーラリンクが貧困・孤独・孤立の問題に取り組む理由
僕がアーラリンクを通じて貧困・孤独・孤立といった社会課題に取り組む理由は、大きく3つあります。
まず一つ目は「人がやらないことをやるのが好きだから」。ビジネスの世界では、多くの人が成功した事業を真似て、そこからさらに良いものを作ろうとするのが一般的です。でも、僕は誰もやっていないことにこそロマンを感じるし、ワクワクします。貧困や孤立の問題は行政がやるものとされていて、民間企業が手を出しにくい分野です。だからこそ、そこに挑戦することに意味があると思っています。
二つ目は「意味を感じられることをしたい」。僕は営業の仕事をしていた時期がありましたが、自分のためだけに働くのは長続きしないと実感しました。誰かに必要とされること、社会に貢献できることこそが、仕事のモチベーションにつながるんです。新聞を読んで「こんな問題があるんだ」と気づいたときに、それを解決する仕事をしていると思えたら、頑張れるじゃないですか。わざわざ意味を見出そうとしなくても自然と「やっている意味」を感じられる仕事がしたいんです。
三つ目は「使命を果たしたい」。先進国における貧困の問題は、とにかく見えにくいんです。食べるものがない、住む場所がない、といった分かりやすいものではなく「社会との接点がない」「助けを求める方法がわからない」といった形で現れます。僕らの「誰でもスマホ」事業は、通信手段を提供するだけでなく、その人が社会とつながるきっかけになるものです。誰かがやらなければならないなら、僕らがやるしかない。そう思っています。
“人がやらないこと”にロマンを感じる理由
僕がビジネスをする上で大切にしているのは「誰もやっていないことに挑戦すること」です。人がやらないことには、未知の可能性があるし、それを切り開くことが楽しいんですよね。
例えばAIが発展していく過程を考えてみると、みんながAIを使えば使うほど賢くなりコストも下がっていく。つまり、誰かがやっていることを後追いしても、それ自体が社会に大きな影響を与えることは少ない。でも、もし自分しかやっていないことがあったら? それがなくなったら誰がやるんだろう? そういうことにロマンを感じるんです。
この考え方はもう性格みたいなものですね。幼い頃から周りがやらないことをするのが好きだったし、それを楽しいと感じる。だから、貧困・孤独・孤立といった民間企業が手を出しにくい領域に挑戦することにむしろワクワクしています。
ビジネスとしての社会貢献──ソーシャルベンチャーの可能性
「社会のために良いことをする」と聞くとNPOや行政のようなイメージを持つ人が多いと思います。でも僕はそれをビジネスとして成立させたい。つまり「ソーシャルビジネス」として、利益と社会貢献を両立させることを目指しています。利益を出すことは悪いことではなく、むしろ必要なことです。なぜなら、事業が続かなければ支援も続けられないから。
さらに僕は「ソーシャルビジネスをやるなら、従業員の給与水準は業界の平均以上であるべき」と考えています。よく「社会のために頑張っている人は清貧であるべき」みたいな価値観がありますが、それは違うと思うんです。僕らが適正な報酬を受け取らなかったら結果的に事業が持続しなくなり、社会のためにならなくなってしまいますから。
また、普通の企業とソーシャルビジネスの大きな違いは投資家の存在です。一般的な企業は利益を出して株主に還元することが求められます。でも、僕らは違う。アーラリンクの株主は僕一人なので、僕が「社会のためにやる」と決めたらそれを貫くことができます。この自由さも僕らがソーシャルビジネスとして貧困・孤独・孤立の問題に挑戦できる大きな理由の一つです。
先進国の貧困とは?見えない社会課題に立ち向かう
貧困と聞くと多くの人が「ご飯が食べられない」「住む場所がない」といったイメージを持つと思います。でも日本を含む先進国の貧困はもっと見えにくい形で存在しています。
例えば、日本では6人に1人が相対的貧困だと言われています。でも街を歩いていてもそんな風景は目に入らないですよね? それが先進国の貧困の特徴なんです。教育の機会がない、働くチャンスが少ない、人とつながる場所がない──こうした問題がじわじわとその人の生活を追い詰めていきます。
また、生活保護の受給率も問題です。日本では生活保護を受ける資格がある人のうち、実際に受給できているのは5人に1人だけ。つまり残りの4人は本来なら助けを受けられるはずなのに、何らかの理由で申請できていないんです。「制度があるから大丈夫」ではなく「その制度にたどり着けるかどうか」が貧困の分かれ道になっているのが現実です。
僕らはそんな見えにくい貧困を解決するために「誰でもスマホ」事業をやっています。携帯電話を持つことで仕事の連絡が取れる、支援機関とつながれる、友人や家族とコミュニケーションが取れる。これは貧困の中にいる人にとって社会との接点を持つための大切なツールなんです。
誰でもスマホ事業が果たす役割と、これからの展望
僕らの「誰でもスマホ」事業は単に通信サービスを提供するものではなく、社会との接点を作るためのインフラです。
貧困や孤立に苦しんでいる人の多くは、連絡手段を持っていなかったり、安定して使えなかったりする。スマホがなければ仕事を探すことも、助けを求めることも、家族や友人とつながることもできません。
通信は今の社会を生きる上で絶対に必要なものです。でも大手キャリアでは料金が高く、経済的に困難な人が利用しにくい。だからこそ僕らは「誰でもスマホ」を通じて、通信を必要とするすべての人に手の届く価格で提供しています。
さらに、この事業の本質は「困っている人を見つけること」でもあります。大手キャリアでは顧客の経済状況を細かく把握することはできません。でも僕らはスマホを契約するお客様の状況を知ることができる。それは貧困や孤独に苦しんでいる人々と直接つながるための大きな強みなんです。この情報を活かして単なる通信サービスにとどまらず、雇用支援や生活支援といった領域にも展開していきたいと考えています。
困窮している人がスマホを通じて仕事を見つけ、社会復帰できるような仕組みを作る。これこそが僕らの次の目標です。
社会を変えるために必要な人材とは?──「太陽のような人」
僕らが求めるのは「太陽のような人」です。つまりエネルギーを自ら発して、周囲に良い影響を与える人。アンパンマンみたいな人ですね。
困っている人と向き合う仕事をしていると感謝されることばかりではありません。むしろ助けを必要としている人ほど余裕がなくて、感謝の言葉が出てこないことが多い。でも、だからこそ僕らがエネルギーを持って「助けたい」という気持ちで動けることが大切なんです。
例えば能登半島の地震のとき、ボランティアで支援物資を運んだ人がいました。でも現地に到着したとき、被災者から言われたのは「遅い」という言葉だったそうです。その人たちが悪いわけではなく、極限状態では感謝よりも先にもっと早く助けてほしかったという気持ちが出てしまうんですよね。
僕らが支援する人たちもそういう状況にいることが多い。スマホが使えなくなり、生活が立ち行かなくなっている人にとっては、一刻も早く通信手段を取り戻すことが最優先です。そのとき僕らは「ありがとう」を求めるのではなく「助けたい」という純粋な気持ちで動ける人でなければいけません。「太陽みたいな人」って、そういうことなんです。誰かのために動くときに理由はいらない。ただ、やるべきだと思うからやる。そんな人がアーラリンクには必要です。
未来のアーラリンク──仕事、コミュニティ、そして社会全体の変革へ
僕らの事業は、今は通信が中心ですがそれだけでは終わりません。
次に目指しているのは「仕事」と「コミュニティ」の提供です。まずは仕事の支援。貧困や孤立の問題を解決するには経済的な自立が必要です。だから僕らは通信事業の次のステップとして雇用支援にも力を入れていきたい。アーラリンクを通じて仕事を見つけられるようにすることで、ただスマホを持つだけではなく、その先の生活もサポートできるようになります。
さらにコミュニティの形成も大切です。今、僕らのお客様の多くは独身の方で特に40〜50代の方が多い。家族を持たない人が増える中で孤独を感じる人がどんどん増えているんです。僕らはそうした人たちがつながれる場を作りたいと思っています。
例えばアーラリンクの拠点を全国に増やして、そこをお客様同士が集まれる場所にする。スマホを使ったオンラインの交流イベントを開いたり、一緒に食事をする機会を作ったり。さらに健康のために良い食事を提供するサービスや地域での社会貢献活動も取り入れていきたいですね。
最終的には僕らが成功させた社会的な仕組みを政策として国全体に広げていくことが目標です。ビジネスの力で貧困や孤独を解決し、そのノウハウを国に提言していく。そうやって社会全体を少しずつ良くしていくことが、アーラリンクの使命だと思っています。
一緒に挑戦する仲間を探しています
僕は社会を変えるためには「ロジック」だけじゃなく「ロマン」も必要だと思っています。人がやらないことに挑戦し、意味を感じながら働く。そして使命を果たすために動く。これがアーラリンクのスタイルです。
この考えに共感してくれる人がいたら、ぜひ一緒に挑戦してほしい。僕らのポッドキャストでもこうした話をもっと掘り下げていますし、興味がある方はぜひ聞いてみてください。一緒に世の中を変えていきましょう。