「ベンチャーの作法」から気付いた「うちの会社ってベンチャー企業だったのか」
ベンチャー企業の成長率のクレイジーさ
高野 秀敏 (著)「ベンチャーの作法」の内容を交えながらベンチャー企業に特有の文化や成長戦略、自分達トップはどう行動すべきなのか、社員をどう引っ張っていくのかをお話いただきました。
情報の非対称性を埋める採用の工夫や、社員に求められる結果主義の考え方。ベンチャーで活躍するために必要な心構えをお話いただきました!
- 目次
- ベンチャー企業の作法とは?
- ベンチャーの作法を読んで
- 会社の社風をどう説明する?
- ベンチャー企業の成長率は異常?
- 読書時間に例えてみると?
- ベンチャー企業は「結果」がすべて
- ベンチャー企業はスピードが命
- ベンチャー企業では「頭脳」より「手足」になれ
- モチベーションなんて関係ない
- ベンチャー企業に向いている人とは?
- まとめ:ベンチャー企業のリアルを知ろう
ベンチャー企業の作法とは?
さて、今回は年末年始を挟んでの収録ということで、え?自分のラジオを聞き返しましたか? いや、実はまだ聞いてなくて……(笑)。でも最近、ラジオをやってるんだっていう意識が変わってきて、喋ろうと思ったことをストックするようになったんだよね。今日はそのストックから1本開けようかなって思ってる。ちょっとマインドセットが変わってきたなと感じてるところです。
昨日も動画を一緒に収録したけど、盛り上がりすぎて大丈夫だったかな? 動画の尺的には20分くらいにしたいと思ってたんだけど、1ページ目で40分も話しちゃった(笑)。いや、本当にびっくりした。50ページ近くの資料を用意してもらったのに、1ページ目でこんなに話すとは……。でも、魂が入ると止まらなくなっちゃうんだよね。
ということで、今回のテーマは「ベンチャー企業とは?」について話していこうと思います。
ベンチャーの作法を読んで
年末に『ベンチャーの作法』っていう本を読んだんだけど、これがめちゃくちゃ面白くてさ。アーラリンクの話というより、今回はベンチャー企業そのものについて語りたいと思ってる。もちろん、アーラリンクもベンチャー企業だから、話の中に出てくるけどね。
この本は、ベンチャー・スタートアップ特化の転職エージェント「キープレイヤーズ」の代表、高野さんが書いたもの。ベンチャー企業で結果を出すための「働き方の作法」について語ってるんだけど、すごく実践的で参考になった。特に、これからベンチャー企業に就職しようと思ってる人や、すでにベンチャーで働いてる人、経営者にはぜひ読んでほしい。
僕が一番の発見だったのは、「うちの会社ってベンチャー企業だったんだ」ってこと。経営者として会社を動かしてきたけど、実は自分の会社がどんな社風なのかって考えたことがなかったんだよね。
会社の社風をどう説明する?
社風を説明するのって、すごく難しい。よく「うちの会社は○○を大切にしています」とか「こんな制度があります」とかって言うけど、実際のところ、社風って自分がどう思ってるかじゃなくて、外から見た印象のほうが大事なんだよね。
例えば、僕自身が「朝早く起きてコツコツ真面目にやる」っていうのを意識してても、周りから見たら「エネルギーがある」「声がでかい」「よく喋る」っていう印象になるかもしれない。それと同じで、会社の社風も、内部の人が思っているものと外部から見たものが違う可能性がある。
だから、うちの会社の社風を説明するのが苦手だったんだけど、『ベンチャーの作法』を読んで、少なくとも「うちはベンチャー企業だ」っていうのは確信できた。これから「御社の社風は?」と聞かれたら、「ベンチャー企業っぽい社風です」って答えればいいなと思った。
ベンチャー企業の成長率は異常?
『ベンチャーの作法』には、ベンチャー企業の成長率についても書かれていた。成長率50%、つまり1.5倍の成長をし続けないとベンチャー企業とは言えないっていう話。投資家の視点からしても、ベンチャーに投資するなら成長率が最低でも40〜50%は必要って言われてる。
この話を読んで、ふと「じゃあ、日本企業の成長率の平均ってどれくらいなんだろう?」って気になって調べてみた。そしたら、2020〜2023年の日本企業の平均成長率(CAGR)が0.8%だったんだよね。つまり、1%未満。
で、ベンチャー企業はそれの50倍の50%成長。これ、数字で見ると「へぇ」って感じだけど、感覚としてはなかなかピンとこない。だから、何か別のものに例えられないかなと思って考えたんだよね。
読書時間に例えてみると?
例えば、日本の社会人の平均読書時間を調べると、1日20分とか、月に1冊とか、3ヶ月に1冊くらいっていうデータがある。でも、もしその50倍の量を読んでる人がいたらどうなるか?
単純計算で、3ヶ月に1冊読む人の50倍だと、3ヶ月で50冊、つまり1ヶ月に20冊以上読んでる計算になる。これ、普通の社会人から見たら「クレイジー」だよね。でも、ベンチャー企業の成長率って、まさにこれと同じレベルなんだよ。
ちなみに僕自身は、実際に月に20冊くらいは読んでる。だから、気づかないうちに「ベンチャー企業的な働き方」をしていたのかもしれないなと思った。
ベンチャー企業は「結果」がすべて
ベンチャー企業の特徴の一つは、とにかく「結果がすべて」だっていうこと。結果を出すからこそ裁量が与えられるし、自由が手に入る。でも、最初から「裁量が欲しい」って言ってくる人がいるんだよね。でも、それって違うんだよ。結果を出さないと、裁量なんてない。結果を出して初めて「お前、好きにやっていいよ」ってなる。
これは僕もすごく共感した。実際、ベンチャーに向いてる人って、まずは言われたことをやって、成果を出して、それから裁量を得ていくタイプの人だと思う。最初から「もっと自由にやらせてくれ」って言う人は、向いてない可能性が高い。
ベンチャー企業はスピードが命
ベンチャー企業の大きな特徴のひとつに「スピード感」がある。スピードで戦わないと、大企業には勝てない。大企業のほうが資本力もあるし、ブランド力もある。でも、大企業は意思決定が遅い。その遅さが、ベンチャーにとっての唯一の武器になる。だからこそ、ベンチャーは「とにかく速く決めて、速く動く」ことが求められる。
例えば、「朝令暮改」って言葉があるけど、実際のところ、ベンチャー企業では「朝令暮改ですら遅い」と言われることもある。朝決めたことが夕方には変わるのは当たり前。なぜなら、新しい情報がどんどん入ってくるから。その情報を元に、もっといい方法があればすぐに方向転換する。これは単なる気分の問題じゃなくて、「よりよい選択を常にし続ける」という戦略的な動きなんだよね。
僕自身も、これを日々実感してる。例えば、朝に「こうしよう」と思っていたことが、昼に新しい情報が入って「やっぱりこうしたほうがいいな」と変わることがよくある。だから、メンバーには「昨日言ってたことと違うじゃん」と思われることもあるかもしれない。でも、それは前提条件が変わったから。前提条件が変わったのに、古い決定に固執するほうが危険なんだよね。
この「スピード感を持って意思決定し、すぐに行動する」っていうのは、ベンチャー企業にとってめちゃくちゃ重要なポイントだと思う。
ベンチャー企業では「頭脳」より「手足」になれ
『ベンチャーの作法』を読んで、特に印象的だったのが「頭脳になるな、手足となれ」という考え方。これは要するに、「経営者を超えるな」ってことなんだけど、めちゃくちゃ納得した。
ベンチャー企業に入ると、つい「もっとこうしたほうがいいんじゃないか?」とか「こういう方向性のほうが会社にとって良いはずだ」みたいなことを考えたくなる。もちろん、意見を持つのは大事。でも、ベンチャー企業では「社長の方針を理解し、それを全力で実行する」ことが最も重要なんだよね。
経営者は、会社の大きな方向性を決める。そして、その方針に基づいて、社員は動く。これがベンチャー企業の基本的な動き方なんだけど、たまに「いや、自分はこう思うから違うやり方をしたい」とか「経営者の判断は間違ってると思います」みたいなことを言う人がいる。でも、そういう人は、そもそもベンチャー企業に向いてないかもしれない。
ベンチャーでは、「まずは言われたことをしっかりやる」ことがめちゃくちゃ大事。結果を出した上で、「こういうやり方もあると思います」と提案するならまだしも、結果を出していないうちからやり方を変えようとするのは違う。
これって、例えばスポーツでも同じだよね。新人選手がいきなり「俺はこの練習方法は合わないから、自分のやり方でやります」と言ったらどうなるか? まずは、基本をしっかり身につけて、結果を出してから、独自のスタイルを確立していくもの。ベンチャー企業も同じで、最初は「とにかく手足を動かして結果を出す」ことが求められるんだよね。
モチベーションなんて関係ない
振り返ってみると、4〜5年前にもっと新卒採用を強化しておけばよかったというのが反省点です。特に誰でもスマホを立ち上げた時期は忙しすぎて、新卒採用を一時ストップしてしまいました。でも、今考えると「一部の事業を止めてでも採用に力を入れるべきだった」と思います。当時やっていた事業の中には、今はもう撤退したものもあるので、そこにリソースを割くより、採用に全力を注ぐべきだったなと。
ベンチャー企業に向いている人とは?
ここまで話してきたように、ベンチャー企業には向いている人と向いていない人がいると思う。じゃあ、ベンチャー企業に向いているのはどんな人か?
僕の考えでは、こんな人がベンチャー企業に向いていると思う。
とにかく結果を出すことを重視する人
スピード感を持って動ける人
モチベーションに頼らず、やるべきことをやれる人
まずは手足を動かして、経験を積める人
「最初から頭脳になろうとせず、とにかく手足を動かせる人」は成長が早い。
ベンチャー企業のリアルを知ろう
最後に、ベンチャー企業を受けようとしている人に伝えたいのは、「ミスマッチを避けよう」ということ。ベンチャー企業は、大企業とはまったく違う環境。だからこそ、「自分に合っているか?」をしっかり考えた上で選ぶべきだと思う。
僕もこのラジオを通じて、アーラリンクがどんな会社なのか、ベンチャー企業がどういう環境なのかを伝えていきたいと思っている。少しでも参考になったら嬉しいです!